資格商法（士商法）とは、士業（行政書士、社会保険労務士、司法書士など）の資格取得講座や、資格取得のための教材などを「この不況の時代に資格をもっていた方が就職、昇進、独立に有利」、「収入がアップする」などと言ったり、ありもしない資格をでっちあげて「受講すると試験免除になる」、「もうすぐ国家資格になるから取得しておくなら今のうち」などと騙したりして、言葉たくみに高額なローン契約で販売する悪徳商法です。
士商法（さむらい商法）とも呼ばれています。
忘れていた頃に「以前受講した講座が最後まで完了していないから、追加で受講料が必要」、「退会する為、登録抹消のための手数料が必要」などという理由でお金を要求してきたり、「被害者名簿にあなたの名前が載っているので、このままだといろんな業者から執拗な勧誘が続く」などと言われ、名簿から削除するための手数料を要求してくるといった二次被害も広がっているようです。
勧誘はかなりひつこい場合が多く、あいまいな態度を取っていたりすると、業者のペースにのせられてしまいかねませんので、毅然とした態度を取ることが大切です。
■資格商法の代表的な例
| 取得を勧められる資格 |
行政書士
司法書士
社会保険労務士
中小企業診断士
宅地建物取引主任者
独自に創設した、一般的に認知されていない資格
いかにもありそうだけど実在しない資格 |
| 販売物 |
資格取得講座
資格取得のための教材 |
| トラブルの内容 |
勧誘がひつこい、悪質
説明の内容が事実と違う
断ったつもりだったのに、勝手に商品を送ってきた |
■資格商法対策
「この講座を受ければ、難関と言われている資格が簡単に取れると説明されたのに、送られてきた教材を見ると、内容が粗末なものでサポートもしてくれない」
「公的資格だと言われたのに、実際はそんな資格はなかった」などという被害に会わないためにも、説明を受けた資格や講座内容などをしっかり確認しましょう。
資格商法は「特定商取引に関する法律」で定めている電話勧誘販売にあたります。
契約したものが指定商品、指定権利、指定役務の場合、業者より契約書面を交付されてから８日間であれば無条件でクーリングオフができます。
（ただし、使用してしまうとクーリングオフできなくなると定められている商品の場合はクーリングオフできません。）
悪徳業者はあの手この手を使ってクーリングオフさせないようにしてくることもあるようです。自分に合わない、話が違うなどと感じた場合は自分を守るためにも、きちっと内容証明郵便を使ってクーリングオフをするようにしましょう。
「特定商取引に関する法律」では、契約内容を明らかにする書面を交付しなければならないとあります。きんと書面が交付されていなかったり、契約内容に虚偽の内容が含まれている場合は、８日間を過ぎてもクーリングオフすることができます。
もし被害を受けたと思ったら、まずは近くの生活センターに相談してみましょう。
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