老後資金にいくら必要？

老後資金にいくら必要？

長い不景気に加えて、少子化の影響で毎年の年金支払い額が増加傾向にあるにもかかわらず、給付額は年々減少傾向にあり、ひょっとすると給付額が支払額を割り込んでしまうかもしれないというこんな日本でがんばっていかなければならないとしたら、いったいお金はいくら必要なのでしょう？

「年金の話なんてまた先の話、とりあえず今の生活をどうしていくかでいっぱいいっぱいだよー。」

そういう方も多いことだと思います。確かに今の生活に追われていては、老後のことなんか考えている場合じゃないかもしれませんが、やっぱりみんな平等に歳をとっていき、だれでも老後を迎えることになりますよね。

イソップ物語「アリとキリギリス」では、アリさんはキリギリスがあそんでいる間にもコツコツと働きつづけ、冬の時代の蓄えをしたおかげで安心して冬を過ごすことができました。
しかし、果たして今の日本でちゃんと定職についていて、こつこつと地道にがんばっているからといって、ゆとりのある生活を過ごしながら、老後の蓄えまで十分に準備することができると自信を持って言える人がどのくらいいるのでしょうか。

すくなくとも、まねきねこはこの数字を見て衝撃を受けました。

■高齢者世帯の収支（平成１１年）　　　　　　　　　　　　　　　　（単位：千円）

	夫婦世帯（夫65歳以上妻60歳以上）		単身者世帯
	夫婦世帯（夫65歳以上妻60歳以上）		男性（60歳以上）		女性（60歳以上）
就業の有無	有	無	有	無	有	無
有業人員（人）	1.30	－	1.00	－	1.00	－
世帯主年齢（歳）	70.0	72.2	68.9	72.0	67.6	71.3
年間収入	6,454	3,941	4,024	2,440	3,294	2,041
生計費（消費支出）	269.5	244.7	203.3	154.7	182.9	156.8
貯蓄現在高	24,362	21,466	14,370	14,849	14,982	13,531

資料：総務省「全国消費実態調査」
（注）１．「夫婦世帯」は平成１１年９月～１１月の平均生計費。
　　　２．「単身者世帯」は平成１１年１０月～１１月平均の生計費。
　　　　　なお、就業有は勤労者の収支。

つまり、６０歳以上になると、男性は平均１ヶ月１５万４７００円～２０万３３００円必要で、女性は平均一ヶ月１５万６８００円～１８万２９００円必要です。平均寿命が男性７８．３２歳、女性８５．２３歳ということを考えると、６０歳で定年を迎えた後、男性一人あたり３４００万～４４７０万円、女性一人あたり４７５０万円～５５４０万円必要になるという計算です。
夫婦で平均寿命まで仮に生きたとすると、８１５０万円～１億９４０万円必要です。

そして貯蓄高平均が１０５４万円～１７６３万円ということは、８０歳まで生きた場合に単純に計算すると、不足額は、７０９６万円～９１７７万円となり、６０歳で定年を迎えても安心して老後を迎えるというよりは、その後も仕事をしないと食べていけない計算になります。

以上の計算はデータ上の平均的に老後に必要な金額の試算です。また別の調査では、ゆとりある老後生活をおくるために望ましい必要金額を算出することができます。

■「平成１６年度生活保障に関する調査」

老後の生活に不安がある	８３．３％
公的年金があてにならない	７９．２％
老後の生活を公的年金でまかなえると思わない	７９．５％
老後の生活を公的年金でまなかえると思う	１５．６％
退職金や企業年金があてにならない	３２．６％
老後の最低日常生活費（月額）	２４万２千円
ゆとりある老後生活費（月額）	３７万９千円

資料：（財）生命保険文化センター

老後のゆとりある生活をする為には、仮に夫婦で８０歳まで生きると仮定すると、３７万９０００円×１２ヶ月×２０年分で９１００万円、８５歳まで生きると仮定すると、１億１３７０万円必要となります。

どちらのデータを見ても、６０歳の時点で１億円程度の蓄えがあることが望ましいという数字が出てきます。もし１億円がない場合には、必然的に６０歳以降も何らかの方法での収入源が必要となりそうですね。

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